fuiuuopik’s blog ネタバレあります。ご注意ください。

海外ドラマの感想を備忘録的に書いています。おこがましくも評価をさせていただています。評価は★「時間の無駄であった」★★「お勧めはしない」★★★「視聴を勧める」★★★★「観ていただきたい」★★★★★「是非是非観ていただきたい」となっています。なお、★無し、は「視聴に耐えられなかった(スルーをお勧めする)」ものになります。

ブレイキング・バッド★★★

S5まで全て観終えました。

ビックラブ同様、すごくざっくり言うとおじさんがトチ狂って自滅するテーマです。 

弁護士のソウル、ソウルの手下たち、ガス、息子のジュニアなど脇役がとても魅力的でした。ガスが好きでした。

評価がとても高いので、気合いを入れて予定を空け、楽しみにして観ました。が、わたし個人としてはイマイチ物語に入り込めませんでした。一番感情移入できた登場人物はガスでした。脇役が良かった事や評判が良いから根性で観終えたという感じですが、最後何か感動したとかも無かったです。ウオルターの奥さんをはじめ、主役の2人と女性陣に感情移入できなかったのが理由です。

色々な過去作品へのオマージュもしくはパロディ的なシーンが多いらしく、分かる人ならお好きかもしれません。

 

Insecure★

S1すべて観終えました。
さしずめ"GIRLS"、LAの黒人女性版と言った感じでした。

"GIRLS"のように、音楽がとても素晴らしく心地良いこと、女性が大変に綺麗なこと(イッサとモーリー)、そしてあまりストーリー展開はなくて、テンポが有って雰囲気で流して観るというところが共通している様に思えました。
違うところ&残念なところは、"GIRLS"のようなブサメンギーク的なキャラは出て来ず、ムキムキマッチョのイケメンしか出て来なかったところです。これを見ると、カルチャーに詳しくない私の様な人間は、黒人男性は皆肉体派でラップが好きである、と画一的な価値観を持ってしまいそうです。

イッサとモーリーは仕事も、恋愛も、趣味もとても対極的です。弁護士のモーリーはあまり黒人女性らしくなくて、普段から黒人女性らしく振る舞わない様に気遣いながら生きています。

このドラマで興味深かったのは、黒人の住宅街、や黒人しかいないバーなどが沢山登場し、LAはこんな感じなんだ!と学んだことでしょうか。あとはイッサとモーリーが大変魅力的でした。

モーリーは社会的に成功した富裕層なのに、逆の意味で身の丈を縮めるような卑屈な振る舞いをするからモテないのかなと勝手に見てました。モーリーはみたいな人は、人種に関係なく、ここ東京にも居るんだろうなと想像。

減点ポイントは、ラストの締めくくりです。

オチもサゲもなく、はーーーー?????って感じでいきなり終わってしまいました。

(むー、こういう落とし所のないラストは黒人文化なのかしら?)

なにも起こらないドラマだと思って最初から見ないと、若干「時間返せ!」となるかもしれません(笑)



ビッグラブ Big Love ★★★★★

S5最終回まで観終えました。

色々契約していましたが、amazonprimeだけで良い気がしてきました。
今まで観た海外ドラマの中でも私のお勧めトップ5くらいに入るかなと思うほど、素晴らしかったです。

 

まだGOTは観る気になれないのですが、HBOのドラマってすごいんだなと思いました。

もちろん突っ込みどころもまるで無いし、登場人物が変更したり、撮影しきれていないストーリーが登場人物の台詞で知らされる、みたいな制作側都合のようなものを全く感じさせず、ストーリー展開もものすごく自然で、知らず知らずのうちにのめり込みます。1ストーリーが60分ほどなのですが、3連休使ってすべて見続けてしまいました。高すぎるクオリティのまま、S3まで突き進みます。特にS2とS3が秀逸でした。

S4で少しだらけます。ローマンとかアーロン、そしてグリーンズのヒール達がとても魅力的で、個人的にはJJだけ気持ち悪くて残念です。JJが出てくる部分だけ飛ばして観ました。早く居なくなってほしいな、と願いながら観てたら死んでくれたので良かった。

S5でまた面白くなります。
特にS5E10のラスト展開がもう本当にやばくて、S4はこの、やばいとしか言えない筆舌に尽くし難いラストにたどり着くために耐えなければならなったのだな、と感じ、報われます。S5E10を観た後にS1E1に戻って観たのですが、素晴らしいループとして繋がります。

モルモンがどう、みたいなものをもう超越した、なんか人の生き様とか人生とか輪廻とか・・・という三島由紀夫豊饒の海を読了した時のような何とも言えない気分にさせられます。と言う事でもの凄い良かった。

・ビル

人間離れした主人公。集り以外の悪い事全部やってる。最初から魂が抜けているような彼からは好きとか嫌いとか何も感じられない。でも頑張る彼をつい応援したくなってきます。ラストで普通に考えたら確かにそうなるよなと感じつつ、ジョセフスミスと同じ死に方で良かったね、としか言えないような、無情な気分になります。

 

・バーバラ

とても魅力的です。見続けていると宗教や母親の影響をものすごく受けていて、主体性が全くない人なんだなと気づくきます。それによりさらにバーバラが人間として可愛く見えてきます。特にカジノでセミナーのシーンや、議会のインターンとのやりとりと言った痛すぎるシーンが秀逸でした。

 

・ニコレッタ

どこまでも痛い人です。S4辺りから痛さがさらに強力になります。機能不全家庭で育つった愛情が欲しくても欲しいと言えないんだな、わざと問題起こしたりせずにいられない子供染みたこととかも、痛いくらい共感しました。

 

・マージー

この夫婦の中では唯一正常に物事を判断できる人です。自分の事を頭良いと自負しているバーバラよりも地頭は良いし、この結婚で唯一幸せになった人だなとも思います。しかし最後全てを破壊する一撃を与えます。似た者同士って集まるんだな、、、と思わせられました。

 

・嘘
見続けていると、このドラマに「嘘」という着眼点が見えてきます。S4からはきちんと拾ってくれて、「嘘」というテーマが見抜けた人は嬉しい展開が出てきます。この登場人物のなかで嘘がつけない人は誰なのだろうか?と思いながら観ると、バーブかマージなのですが、バーブはS4辺りから神権者に興味を持つのと同時に、嘘つきになっていきます。最後に一番純粋無垢と思えたマージのザラキーマ級の嘘により崩壊します。

 

Silk 王室弁護士マーサ・コステロ ★ ★ ★

S3まで観終えました。

すごく良かった!!さすがBBCドラマ。質が高くてとても良く出来ています。突っ込みどころもないです。


・とにかくマーサが格好良すぎる。

自立したお一人様の見本みたいな人、男に頼る部分が一切無くて素敵すぎます。

 

・イギリスの法曹界のことが垣間みれる。

興味深いです。大学生のときにイギリスに行ったときに何をやっているかと聞かれ「大学生で法学部」と伝えるたびに尊敬された理由が分かりました。日本ならそこまで難しくなく法学士はとれますが。。。あと、やはりイギリスは良くも悪くもほんっとうに階級社会なんだなあと感じました。

 

・ビリーも格好良すぎ。

弁護士がタレントで、弁護士事務所がタレント事務所のようにも見えました。事務所の手腕がすごい。あと、ビリーとマーサの仕事だけの愛情が美しすぎます。家には寝に帰るだけ、ビリーのように、ボスが社員を心から家族だと思っていて、ボスが全生活が組織に捧げてくれている、こんな組織に私も入りたいです。

 

以上簡単な感想でした。

 

 

クライアント・リスト (★無し)

 突っ込みどころ満載です。あんなに鍛えた男性しか来ないエステなんて存在しないでしょうし。。。

ジェニファー・ラブ・ヒューイットさん。

金コマシンママ設定なのにいつもキレイな格好をしています。彼女の金遣いの荒さに旦那さんが困って出て行くのはきちんと描けていて納得です。

ジェニファーさん、常に半裸のような格好で生活しているのです。そんなジェニファーさんに鼻の下を延ばし、家までついてくる男性も沢山要るのですが、ジェニファーさんが「私はシンママだし前の旦那に未練があってそれどころじゃないよ」ときちんと断ると、みんな怒りもせずに紳士的に帰ってくれます。日本ではこんな風にいくのでしょうか???

日本の価値観だと「肩を出したり、ガーターベルトをわざと見せてお前が誘ったんだ」と言われたり、万一犯罪になっても誰も味方してくれなさそうですよね。アメリカの紳士的な部分を垣間みれるドラマだと思いました。

S2まで観る忍耐力がなくてS1で脱落。

FARGO S1 ★★★★★

FARGO S1です。
いま4回目を見終えました。
私の中の海外ドラマ最高傑作です。

 

●「運の尽き」

E10で、登場する狼。トムハンクスの息子がマルヴォの隠れ家を見つけたきっかけがオオカミですが。西洋で狼は「悪魔の手」を示唆するようです。マルヴォはトムハンクスの息子に隠れ家が見つかってしまった時点で、もう運が尽きていたのでしょう。トムハンクスの息子がいなくても、狼に食い殺されていたかもしれません。足を損傷したマルヴォは、窓に狼を見つけた時に微笑みます。「もう殺しを辞められる」という安堵感だったのかな?と勝手ながら理解しました。

 

●「足るを知る」「君子危うきに近寄らず」
悪運の強さで難局を乗り越え、マルヴォのお陰で?今までにない成功を掴んだレスター。ラスベガスでマルヴォに遭遇します。自尊心の極みに達していたレスターは、誤った行動を起こします。あろうことか、たまたま出くわしたマルヴォにわざわざ話しかけにいくのです。マルヴォは「去れ」警告しくれて、ここで冷静になり立ち去るチャンスはありました。しかしここはやはり生来のダメな男であるレスター発揮です。エゴを優先し、マルヴォに誉められたくてw追いかけます。これがバーの人にメッセージカードを渡してもらうとか、なぜマルヴォの事情を配慮せずにスマートに行動できなかったのか・・・。そこがまさにレスターなんでしょう。

○モーリー

祖父、父と立派な警官だった娘で、自身も警官になります。
署長が殺される前は、ダイナーで「殺しが発生したの♬」と目をキラキラさせながら少々不謹慎かと思えるような態度をとっていましたが、署長が殺さてからキャラが全く変わり、本領発揮、淡々と職務を遂行します。ワイヤーのマクノルティのように、邪魔な上司がいてもきちんとレポートラインを守って行動します。スタンドプレイをしなくとも、「まじめに職務を行っていれば報われる」という象徴のような人です。最後は署長になります。グレタも警官になってほしいな、と思いながら見ていました。

・・・・・・・・・

このドラマは叙情的な景色、スーパー王のストーリーも素晴らしいし、もはや漫才コンビとしか思えないFBI捜査官など、見事なコンテンツが盛りだくさんです。それらはすべて落語の登場人物のような「人間らしさ」に溢れています。

特筆すべきはレスターのずる賢さと異常な悪運の強さです。
それはマルヴォと出会ってから開花されたものなのでしょう。優秀な弟の陰で、田舎でうだつの上がらない夫として人生を終えるより、人生のほんの一瞬でも、注目を浴び成功し、全米1位の栄冠を掴んで積年の恨みがある弟を陥れ、警察を手こずらすような人物になったのは良かった様に思います。それはマルヴォがいてこそ、もっというとヘスがいてこそ、だった様におもいます。人生何が起こるか分からないなというロマンをレスターから感じます。

マルヴォは「自分には邪悪な資質もある!」と、謙虚に自己を見つめ、認める人を攻撃対象にはしない人だと思います。善良ぶっていたりする偽善者に対し、己の邪悪さをしらしめるために神が使わした使者のようにも思え、大量殺戮社なのですが、私には思いっきり憎めません。

とにもかくにも登場人物において一番悪いやつはレスターなんだと思います。彼はほんっとに息を吐く様によく嘘をつきますし「キレやすく、他人を操作し、協調できない」という典型的なソシオパス体質です。マルヴォはレスターが抱えていた幻なのかとも思えます。ソシオパスなレスターの対極にあるのは、モーリーなのです。

レスターやパールは救いようがない人たちです。ズルをして、ねたんで、ひがんで。。。そして自分の能力のなさ、努力不足をすべてを他人のせいにする。こういうことは私たち、周囲にも日常的に存在し、人の邪悪さや弱さの象徴のような登場人物たちです。レスターとパールは似た者同士の共依存だったのかもしれません。

しかし一代で運輸会社を立ち上げるようなガッツのあるヘスには、彼らのような弱さ丸出しの人間は虐めの対象になるのでしょう。勝手にレスターの母親に毒母的な匂いを感じてしまいますが、ヘスはそれ以上にめちゃくちゃな家庭に育ったのかもしれませんし。

レスターがチェズの奥さんから「あなたの人生はこれから良い事ばかりあるし、あなたはそれに値する人だよ」と言われキスされた時の嬉しそうな顔。単に美人にキスされたからだけではく、「自分は幸せに値する人物だと女神から認めてもらった嬉しさ」からなのでしょう。レスターが呪縛から解き放たれるシーンはとても印象的でした。

 

さて、レスターは必然だと思うけど、その他の主人公はその時々の選択でその後の人生がかわります。地下室のポスターにあるwhat if・・・
E1でまだ存命の署長に、壁の色をあーでもないこーでもない、極めつけには「白い壁に白いペンキを塗りたい」などと訳の分からない事をいう天然ちゃん妊婦。激務の旦那に配慮したら、妊婦とはいえそんなわがままは言えたのでしょうか。あんなアホ嫁がいなかったら署長はペンキ屋に立ち寄る事もなく、殺されて無かったのではないか。でもいつかアホ嫁の意味不明な捜査妨害のため殺されていたかもしれません。レスターの2番目の妻も、最初はただの可愛くて優しくていい子、にしか見えないのですが、その時々で都合の良い男をとっかえひっかえしてきた様にも見えなくもありません。不動産屋のオーナーともデキていたのでは??

私自身はイケメンが苦手で、彼女の様にフツメンのかたに「一目惚れ」したことが何度かあり、ポジティブに喜ばせようと思いそれを告白した事もあります。しかし彼女がレスターに「一目惚れだった」と言うシーンを観ながら、本来コンプレックスの塊の様なレスターみたいな人に「一目惚れした」と告白したところで胡散臭いと思われてしまうだけなのだろう、と客観的に眺めていました。

ちょっと脱線してしまいました。
誰でも自尊心に問題が無い人はいません。しかしレスターみたいに、邪魔者が居なくなり、自分にスポットライトがあたることが人生で怒るかもしれません。もし私が今後そんな風に呪縛から解き放たれる機会をいただいたとしても常に謙虚に、「足るを知る」姿勢で、自滅しない人になりたいです。

THE WIRE ★★★★★

THE WIRE (S1-5)

すごくよかった!!!

もう一度観たいドラマです。


始めはすこし忍耐力が要りますが、s1e4くらいからグングン引き込まれる。

台詞の一語一句が後に繋がり、良い意味で集中力が必要なドラマ。

見終わった後は脳トレした後のような?爽快感あり。

 

素晴らしい点

 

・S1とS3が最高。

・S2は映画のような風情がありました。港湾会社?のジギーが最高。S4もストリートキッズに焦点をあてた別コンセプトでよかった。エイヴォンやストリンガーたちもこんな風に育ったんだなと理解が深まる。

・個人的にはS2から出てくる蝶ネクタイの槇原敬之さんのような方ステキすぎ。オマールも格好良すぎ。

・警察の上司がゲイバーに居るシーンがあったり、FBIのプロファイリングのシーンなど、ところどころファンサービス?的なシーンもあって、楽しめる。

・途中から出てくる女性のギャングさんが個性強すぎて魅了されます。「she」って呼ばれていなければ女性だとは気づけない。

・警察の上層部の方が亡くなった会、マクノルティのお別れ会など、パブのシーンが同僚愛に溢れていて素敵。

 

疑問点

・ジミー・マクノルティがモテ過ぎ(笑)

デアンジェロの奥さんやお姉さんからは「bull shit hair」とか、元上司からもちりちり頭とか呼ばれているのに、なぜあんなに容姿端麗な色んな女性から集られ、すぐにセックスさせてもらえるのか、謎過ぎでした。子どもが観たら?「女はセックスがしたい生き物だ」と誤解されてしまいそうで怖かったです。その点ゲイのキーマがが素晴らしかったので、バランスしていましたが。

・私の教養のなさ故ですが、政治に興味がないからか、S4あたりから頻出してくる「市長編」は飛ばしてみてしまいました。

ギリシャ人の大ボスのおじいさまは国家機関のCIということでしょうか?

それならS6があるのかな??

 

最後に

「組織体質」が本当に良く描かれています。殆どのおじさんが腐っているところ、そして「自分は良い仕事をしようと熱心に取り組んでもしてもお役所の方針に振り回されてしまう」ところには共感せずにいられませんでした。

その中で①バンクや、笑顔が素敵なランズマンのように、組織に期待せずに割り切って諦めて?やっていくのか ②フリーマンの様に、副業をし、年金は確保、仕事で知り合った人と結婚して幸せになるのか ③マクノルティの様に妥協せずひたすら自分自身を追い求めるのか ④プリッツのように、潔く転職し(彼が教師としても警察以上にうまく行くかはまだ未知数だったが)新天地に活路をもとめるか

という生き様から、私自身も大きな示唆を得ました。